ジャービル讃歌(100%)

癒しの”天使のネズミ”、ジャービル(スナネズミ、ねじぃ)の観察記を下手な詩とエッセーで。

カムリンも

長生きはできまいと思われたが

やはりその日は確実に来る事に

様子が変だと気づいたら



死はすぐそこに


ほぼ一日中ホイールラン。おかげでろくに運動もしないで食っちゃ寝のノブリンが100g超なのにカムリンはたったの70gしかない。大概のネズミは人の気配に気づくと寝ていても飛び起きるのに爆睡。少々つついたくらいでは絶対に目覚めない。また、目覚めたとしても寝ぼけがひどい。寝起きの悪いのはどのネズミもそうだがカムリンは寝覚めてもしばらくは意識朦朧。
そんなカムリんだがわずか2日前までは元気でピンピンしていたのに、硬いものを食べられないし、受け取らなくなった。好きなおやつのヒマタネはもちろん、大好物の麻の実さえも与えようとしても頭で強力に押し返してくる。または、腹の下にして跨いでいく。さては前歯が折れて不正咬合になったかと前歯を見ようとすると暴れまくって歯を見せない。
外見的には鼻の先や左目が赤いくらいだがペレットも食べない。もともとスリムなのにますます細くなっている。
これは素人には手に負えない。で、動物病院で診察してもらったら絶望的な所見が。それは口の中に大きな腫れ物、腫れ物は右側に大きなもの、右顎側にも小さなものが。道理で、今食べられる蒸しオサツを食べるときに左に大きく頭を傾けて食べていたはずだ。時々左にコケるほどだった。赤いとだけ見えた左目はかなり飛び出していた。また、nanoは気付かなかったが左側の玉袋にはイボ状の腫れ物。すでに全身転移のがんで最終ステージ状態。
動物病院で薬を処方されたがもはや完全に手遅れ。おまけに液体飲み薬を飲ませるのもかなり苦労するほど薬を受け付けない。
被捕食者であるネズミは死というものが身近だ。死に直面したとき完全にそれに従う。また、仲間もそれを悟るようだ。今日はじめて弟分のノブリンが兄貴分のカムリンの毛づくろいを丁寧にしてやるのを目撃した。これまではカムリンが催促してもノブリンはいつも知らんぷりだったというのに。その結果短気なカムリンは業を煮やしてノブリンに体を激しく押し付けていたがそれでもノブリンは応じなかった。でも、今日はなんという変わりようか。寝ているカムリンの体の3分の2を実に丁寧に長々と毛づくろい。
動物病院で薬を処方されたとき、カムリンを別のケージに分けて飲水に薬を入れて飲ませようと思ったがそれはやめようと思った。彼はもはや回復の見込みはない。それなら親しいものと最後をともにさせよう。ノブリンが毛づくろいをするのを見てそう決めた。カムリンはあと1日か2日しか持つまい。すでに意識は朦朧としているし食欲もなくなっている。基礎代謝が大きいので彼らはじっとしていても体力は消耗する。このまま餓死させるしかない。親しいもののそばで。残酷なようだがもはや手の打ちようがない。

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